プレスリリースの書き方と出し方|中小企業が取材につなげるための準備
記者の目に留まるかどうかは、会社の大きさより「ニュースになる切り口」で変わります。
中小企業のプレスリリースでも、地域や業界にとって意味のある話なら、取材につながる可能性があります。
書き方の軸は、自社の宣伝ではなく「誰にとって、なぜ今、意味があるのか」。掲載するかどうかは媒体が決めるので、出した後は自社サイトやSNSでも活かします。
題材の見つけ方、基本の構成、出し方の選択肢、送る前のチェックリストを、最初の一本の準備に役立ててください。
この記事でわかること
- 中小企業でもニュースになりうる題材の見つけ方
- プレスリリースの基本の構成と、各パートの書き方
- 配信サービス・記者クラブ・直接送付など、出し方の選択肢
- 送る前のチェックリストと、出した後にやること
ニュースになりうる題材の見つけ方

記者が探しているのは、読者や視聴者にとって意味のある話です。
「新商品を発売しました」だけでは、宣伝との違いが伝わりません。
「誰の、どんな困りごとが、どう変わるのか」まで書けると、ニュースとして検討してもらいやすくなります。
ニュースになりやすい要素
- 新しさ:地域や業界で、これまでになかった取り組み
- 地域性:地元の課題や行事、商店街や学校とのつながり
- 社会の関心:人手不足、事業承継、環境への配慮など、いま注目されている話題とのつながり
- 意外性:町工場が一般向けの商品をつくる、など意外な組み合わせ
- 人の物語:創業のきっかけ、職人の挑戦、若手の育成
社内で題材を探すための質問
次の質問を社内で投げかけると、題材が見つかりやすくなります。
- この1年で、新しく始めたことや変えたことは何か
- 新しい設備や仕組みで、できるようになったことは何か
- お客様や地域から、よく相談されることは何か
- 会社の周年など、節目になる出来事はあるか
- 社員の挑戦や、働き方の工夫で話せることはあるか
- 地域の学校や団体と一緒に取り組んでいることはあるか
題材が決まったら、「誰にとって、なぜ今、意味があるのか」を一文で書いてみましょう。
一文で言えないときは、まだ切り口が固まっていないサインです。
プレスリリースの基本の構成

プレスリリースは、記者が短い時間で中身を判断できるように書くのが基本です。
冒頭に発表日、会社名、宛先(「報道関係者各位」など)を入れ、次の順で組み立てます。
タイトル
いちばん伝えたいことを、1行で言い切ります。「何が」「どう新しいのか」が分かる言葉を入れましょう。
「〜のお知らせ」だけのタイトルでは中身が伝わらず、読み飛ばされやすくなります。
リード(要約)
タイトルの下に、発表の要点を2〜3文でまとめます。いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように、を押さえます。
リードだけ読めば全体が分かる状態が理想です。
本文
背景、具体的な内容、今後の予定の順に書くと、読み手が流れをつかみやすくなります。
数字や固有名詞は、事実として確認できるものだけを使います。専門用語は、一般の読者にも分かる言葉に言い換えましょう。
全体の長さは、A4で1〜2枚ほどに収めると読みやすくなります。
会社情報
会社名、所在地、代表者名、設立年、事業内容、ホームページのURLを載せます。
記者が会社の概要をすぐ確かめられるようにするためです。
問い合わせ先
担当者名、電話番号、メールアドレスをはっきり書きます。
発表後しばらくは、担当者が電話やメールにすぐ対応できるようにしておきましょう。
画像
商品や設備、人物などの写真があると、記事になったときの姿を想像してもらいやすくなります。
写真には短い説明を付け、記者が使いやすい形で用意します。人物が写る場合は、本人の了解を取っておきましょう。
プレスリリースの出し方の選択肢

出し方は1つではありません。届けたい相手と社内の手間に合わせて選び、組み合わせることもできます。
配信サービスを使う
登録されている媒体へ、まとめて届けられる方法です。有料・無料のサービスがあり、届く先や機能はサービスごとに違います。
配信先の多さより、自社の業界や地域に合う媒体に届くかを確かめて選びましょう。
記者クラブに資料を提供する
官公庁や経済団体などには、報道機関の記者が集まる記者クラブがあります。
受け付けの方法や時間、事前の申し込みが必要かどうかはクラブごとに違うため、提供する前に確認が必要です。
媒体に直接送る
地域の新聞やテレビ、業界紙、Webメディアなど、取り上げてほしい媒体に直接届ける方法です。
媒体が案内している情報提供の窓口を確認してから送ります。過去にどんな話題を取り上げているかを見ておくと、的外れになりにくくなります。
自社のホームページに載せる
どの方法で出す場合も、自社サイトのお知らせに同じ内容を載せておきましょう。
記者が詳しく調べたいときの確認先になり、取引先や求職者にも情報が届きます。
送る前に確認したいチェックリスト

一度送ったリリースは、取り消すのが難しいものです。送る前に、次の項目を確認しましょう。
- 日付・曜日・時間・場所に誤りがないか
- 会社名や商品名、人名の表記が正しいか
- 数字や表現に、誇張や確認できない内容がないか
- 取引先や協力先の名前を出す場合、相手の了解を得ているか
- 写真に写っている人や物について、公開の了解を取っているか
- 解禁日時(公開してよい日時)を指定する場合、はっきり書いているか
- 問い合わせ先の担当者が、発表後に対応できる体制になっているか
- 自社サイトに、詳しい情報を載せたページを用意しているか
- イベントの告知なら、媒体が予定を組めるよう日程に余裕をもって送るか
社内の確認は、窓口と決裁者の2人程度に絞ると、発表のタイミングを逃しにくくなります。
出した後は自社サイトとSNSでも発信する

リリースは、出して終わりではありません。メディアに取り上げられなくても、情報そのものの価値はなくなりません。
- 自社サイトのお知らせやブログに、背景や写真を加えて載せる
- SNSで、写真や短い動画とあわせて紹介する
- 営業資料や会社説明会の話題として使う
- 取引先へのメールや挨拶のきっかけにする
ホームページとSNSの役割の分け方は、SNSとホームページの役割の違いとは?集客につながる上手な連携方法で解説しています。
取材の依頼が来たときの準備
取材の依頼が来たら、日時、取材の内容、対応する人をすぐ社内で決めます。
話す内容のメモと、見せられる場所や物、写真を用意しておくと、当日に慌てずに済みます。
記事の内容を事前に確認できるとは限りません。話すことは、記事になってもよい情報だけにしましょう。
掲載された記事を自社サイトで紹介するときは、文章や写真をそのまま載せず、媒体の決まりを確認します。
反応がなかったときの振り返り
反応がなかった場合も、題材、タイトル、送り先、時期を振り返ると、次に活かせます。
1本で結果を求めず、発表のたびに少しずつ改善していきましょう。
取材につなげるための注意点

最後に、プレスリリースで気をつけたい点をまとめます。
掲載するかどうかは媒体が決める
どれだけ準備しても、記事にするかどうかは媒体の判断です。掲載を前提にした予定は立てないようにしましょう。
送った後に何度も掲載を頼む連絡をすると、相手の負担になります。問い合わせに丁寧に応えるほうが、次につながりやすくなります。
宣伝の言葉を並べない
「画期的」「革新的」といった言葉を根拠なく使うと、かえって信頼を損ねます。
事実と具体的な内容で伝えるほうが、記者にとって判断しやすいリリースになります。
自社で書くか、任せるか
社内に文章を書ける人がいて、題材もはっきりしているなら、自社で書いて出すこともできます。
「何がニュースか分からない」「書く時間がない」という場合は、題材選びや原稿づくりを外部に頼む方法もあります。
外部に任せられる範囲は、広報支援とは?中小企業が外注で任せられることと進め方・依頼先の選び方で紹介しています。
弊社でのプレスリリース作成については、広報支援のサービス紹介をご覧ください。
プレスリリースでよくある質問

小さな会社のプレスリリースでも読んでもらえますか?
会社の規模より、内容が読者にとって意味のある話かどうかが大切です。
題材に関心を持ちそうな地域の媒体や業界紙を選ぶと、目に留まりやすくなります。
プレスリリースはどのくらいの頻度で出せばいいですか?
決まった頻度はありません。発表する価値のある題材があるときに出しましょう。
日々の小さな話題は、プレスリリースより自社サイトやSNSでの発信が向いています。
配信サービスは使ったほうがいいですか?
多くの媒体に一度に届けたいときは便利ですが、使わなければいけないものではありません。
地域の話題なら、地元の媒体に直接届けるほうが合う場合もあります。
掲載されなかったら、出した意味はありませんか?
意味はあります。自社サイトやSNSに載せれば、取引先や求職者が会社を知る材料になります。
題材や書き方を振り返れば、次のリリースの精度も上がっていきます。
まとめ

この記事のまとめ
中小企業のプレスリリースでも、相手にとって意味のある題材を、判断しやすい形で書けば、取材につながる可能性があります。
掲載は媒体が決めるものと考え、出した後は自社サイトやSNSでも発信して、情報を活かしましょう。
- 題材は「誰にとって、なぜ今、意味があるか」で選ぶ
- タイトル・リード・本文・会社情報・問い合わせ先・画像の順に組み立てる
- 出し方は、配信サービス・記者クラブ・直接送付・自社サイトから選ぶ
- 送る前に、表記・関係者の了解・問い合わせの体制を確認する
- 取り上げられなくても、自社の発信と振り返りに活かす
合同会社みんなちがってみんないいでは、東大阪を拠点に、プレスリリースの作成など広報のご相談を承っています。詳しくは広報支援のサービス紹介をご覧ください。
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